農機具買取りサイトの一括見積もりで大損! ネット農機買取査定の失敗体験談

離農や農機具の買換えのとき、皆さんはどうしていますか?
  
全国的に離農が進む昨今ですが、離農にあたり作業所を空っぽにしよう、
という方は多いのではないでしょうか。
 
私の親戚にもそういう米農家があり、昨年で離農することになりまして、
今年一年かけて、田んぼを手放す準備をようやく終わらせました。
  
もしかしたら使うかも・・・、と残しておいた農機具もこの1年で諦めがついたらしく、
農舎の農機具は処分して「車庫」にしよう、ということになりました。
 
そこで、農機具の処分をどうしよう? となったのですが、
 
親戚も高齢者ながら、趣味の旅行写真でスマホやPCを普通に使うらしく、
ネットで中古農機具の買取業者の広告を見ていたようで、
 
「使ってみたいので、代わりに申込してほしい」と依頼されました。

  
私も前から気になってはいたので、今回ためしにと思い、
よく広告を目にする農機具買取サイト3社に、査定申込を出してみました。
 
ところが・・・
 
結論から言うと、大失敗でした。
買取額で大損した挙句に、かなり手間がかかりました。
 
 
私の業者の使い方も悪かったのですが、とにかく、
 
「農機具を買取の一括査定ネットサービスで査定する場合は、注意が必要である」 
ということが、今回の失敗でよくわかりました。
 

せっかく思い切って離農するのに、最後に嫌な思いをされる方が減ればよいと思い、
今回はブログ記事にしておきます。

農機具買取サービスの仕組み

まず農機具買取サービスの仕組みを、改めて確認しておきます。
  
農機具の買取りの一括査定見積もりは、
まず、複数の中古農機具の買取店が、一括査定サイトに登録します。
 
次に、我々農家から買取の依頼があった際に、買取店は、お金(情報開示料金)を
一括査定サイトに支払って、買取してほしい農家からの買取依頼の情報を閲覧します。
 
買取業者として登録しているのは、普通の農業機械専門店の他に、
農業機械や建設機械を輸出している輸出業者などがあります。
 

よく、農機具買取の一括査定サイトの説明ページには、
 
「海外に販路がある業者がいるから高価買取が可能」
 
「複数の買い取り店の査定額を簡単に比較できる」

という宣伝文句が並んでいますよね。
これは、上記のような農機具の買い取り業者が複数登録しているためにできるのですね。

 
これは確かにメリットもあると思うのですが、
 
今回私が買い取り依頼したものに関しては、
地元の農機具店さんに引き取ってもらった方がよっぽど条件が良かったです。

なぜ農機具の買取りサービスで失敗したのか

今回私が親戚に頼まれて処分したのは、田植え機とトラクターです。
・トラクター、クボタ、L1-24
 →エンジンかかるが作業機ヒッチにガタつきあり
 →左右水平がときどききかなくなる
 
・田植え機、クボタ、SPU65
 →昨年末に整備済み、特に問題なし。
  
農機具一括買い取りサービスのサイトには、
「古い農機具や壊れていても大丈夫」という宣伝文があったので、

まずは故障ぎみのL1トラクターを買取依頼してみよう、と思い、
買取サイト3社のページで型式や故障状況などを入力しました。
 
 
送信してから2~3日で、複数の買い取り業者から買取査定が来ました。
 

農機具買取業者からの連絡が多すぎて困った

ここで最初の失敗。
 
3社も買取サイトを使ったせいもあり、
買取業者からのメールで、メールボックスがいっぱいになってしまいました。
 
  
ちょうど、田んぼの引き継ぎに関する大事なやり取りを
農協さんや引き継ぎ先の農家さんとメールでしていたため、

買取業者のメールは正直なところ、迷惑メールさながらに
毎日、毎日、届いていました。これには本当に困りました。

 
また、買取査定サービスのうち1つでは、電話連絡がくるタイプのサイトがあったのですが、
秋の稲刈り時期の忙しい中、毎日バンバン電話が鳴る、という最悪な事態になりました。
  
農機具の買取り比較サイトは、我々ユーザーとしては、
最高値をつけてくれる1社だけを紹介してくれればいいのですが、

一括見積もりサイトとは、私の出した買取り依頼を見る
買取業者が多ければ多いほど儲かる仕組みです。
 
だからもう、こちらの都合はお構いなしです。
毎日どんどん査定メールが送られてきます。
 
そして、最終的に、どの業者に買い取ってもらうかは、
その大量のメールの中から、自分で選ばなくてはいけません。
 
これがもう、本当に面倒です。引取り条件なども、会社にまちまちです。
「農機具の買取比較は、かえって面倒なのでは・・・」と、半ばうんざりでした。
  
 

農機具の買取業者を仕方なく選んだけど。。。

山ほど届いた査定メールを頑張って比較して、
とりあえず一番高値だった業者に引き取り依頼の連絡をしました。
 
確か機械の輸出を専門に行っている業者で、
他社より1万2千円くらい高かったです。 
 
   
引き取りの当日は、日本人が1人と、アジア系の方2人が、大型トラックに乗ってやってきました。

ところが、私が玄関先で契約所にサインしていると、
作業場からガタン! バリン! と大きな音がします。
 

びっくりして見に行くと、
あらまぁ。。。投げる投げる。 タライやら肥料袋やら、孫の三輪車やら。。。

「ちょっと!!!」と、おばあちゃんが止めに入っていました。

それから、いぶかしげな顔をする買い取りスタッフを横目に
「すんませんね、片付いてなくて・・・今あけますんで」と
私とおばあちゃんで、急いで作業場を片付けました。
 
 
その間、引き取り業者は作業場の中でタバコ。。。。
乾燥させていたタマネギのすぐ傍で、です。

「えっ!? 非常識な!?」と思いましたが、
 
早く片付けなきゃ、という思いが勝り
タバコ止めてくれとは言えませんでした。
 
 
  

大事な田植機も、安値で買い叩かれる

終始イライラした態度の業者を横に、ようやく作業場を片付けた私たち。
 
トラクターの積み込みが終わると、業者の人は目ざとく、
作業場の裏手にあった田植え機を指差して言いました。
  
  
「あの、奥にある田植え機も処分するんですよね?」ときかれ、
とっさの事に、おばあちゃんは素直に「そうですけども」と答えてしまいました。
 

買取業者の人は急に態度が変わり、
ニコニコしだしました。
 

その田植え機の相場がいくらくらいで、自分たちならこの位高く買いとれる、と
その場で、矢継ぎ早におばあちゃんに話をしています。
 
作業上の急な片付けや、買取業者の態度に疲れきってしまった私たち。
残念ながらこの時はもおう冷静になれず、業者の話を鵜呑みにしてしまったのです。
 

おまけに、「今日はわざわざ茨城から車で4時間かけてきたんだ」とか
「せっかく来てやったんだから」などと、どんどん畳み、かけてきます。
 
田舎では、あまりこういったコミュニケーションに遭遇することはなく、
私もおばあちゃんも既に判断力を失っています。

最後には、「わかりました、お願いします」と
答えてしまったのです。

  
これがもう、本当に大失敗でした。
結局、業者の言い値は、ありえないくらいの安値だったのです。
 
 
買取業者の人達は、ものすごいニコニコしながら
トラクターと田植え機をトラックに積んでいきました。

不要な農機具まとめて処分はウソ?

更に失敗は続きます。
買い取り業者が帰ろうとしているときに、

「古いタイガーカワシマの計量選別機を引き取ってほしい」

と頼んだのですが、
ダメでした。

  
「それは海外で需要がないから、引き取りができない」  
「処分をする場合は処分料5万円だ」
 
と言われ、それもそのまま鵜呑みにしてしまい、

結局、有料で処分してもらうことになりました。

「最初のメールには、処分は基本無料って書いてあったはず」
と、反論する気力は、もう残っていませんでした。

 

本来の田植え機の買取り価格は10万近く高かった

数日後、あの時の買い取り価格は本当だったのか? と思って、
私が中古コンバインを買った農機具店で聞いてみると

なんと、この田植機の買い取り価格は、
あの時買取業者が提示した値段よりも10万円以上も高値がつくものでした。

また計量選別機も、この農機具店の場合は、処分料はかからず
無料で引取処分してくれる、とのことでした。
 
  
私は急いで、その時の買い取り業者に電話をし、
「返金するから今すぐ田植機を戻してほしい」と言いましたが

電話口の業者は
「お父さんねぇ、もう契約したでしょ」の一点張りです。

それでも何とかしたいと、話をつづけたら
 
「あんた非常識だよ!!! 冗談じゃないよ!!!」と
ヤクザのような口調で怒鳴られてしまいました。

さすがに怖くなって電話を切りました。
  
 
消費者生活センターに相談をしてみたのですが、

そもそも「農機具」は産業用の機材であり、
われわれ一般農家でも「いち事業者」とみなされるようです。
 
そのため農機具の買取りは、「事業者」どうしの「売買契約」にあたるため、
消費者保護の法律は適用できないらしく、泣き寝入りする以外ありませんでした。
 
 

意外と身近にあるネット農機具買取りのトラブル

あまりに悔しかったので、地元の農家や農家組合の仲間に話したところ
実は私の身近な農家さんも、大なり小なり、トラブルを経験した方がいました。

一番ひどい人は「これは頭金だ、後から振り込む」と言われて5万円を手渡され、
契約書にサインさせて、そのまま。 なんていう悪徳業者もいたようです。
 
これはさすがに、買い取りサイトを運営している会社にクレームをつけて
いいレベルだと思うのですが、農家さんはあまり取引についての声をあげません。

この農家さんも、「欲をかきすぎた、オラがいけなかったんだろ」
とかいっちゃって、それで終わりにしてしまっていました。
 
高齢者の農家にとって、ネットはまだ「よくわからない不安なモノ」です。
そのためか、トラブルの事例などは、あまり表に出てこないのかもしれません。
  
 

勿論メリットもある。特に古い農機具の場合

ここまで、私が経験した農機具の買取りでのトラブルの話をしましたが、
もちろん、一括査定サービスには、メリットもあります。
 

それは、30年や40年前の本当に古い
骨董品のようなトラクターを処分する場合です。
 
このようなトラクターの場合は、
国内の農機具店では引き取り手が確かに少ないです。
 
海外の輸出業者に、数万円の安値でも、
買い取ってもらったほうがよいと思います。
 

農機具買取サービスを使う時の注意点まとめ

 

その1、現場での業者の口車に乗らない

私のように、現場での買い取り業者の話はあまり信用できないです。
買い取り価格は、かならず事前に自分でも確認して、
納得してから契約したほうがよいです。

その2、小物機械がある場合は処分料金を確認する

グレンタンクや、選別機、播種機、もみすり機など、
海外で売れない農機具も処分したい場合は注意が必要です。

中古を扱っている農機具店に依頼した方が
処分料などかからず、しかも対応が丁寧なことが多いです。
 
これらを輸出がメインの業者に依頼した場合、
処分費用がかかる可能性がありますので、事前によく確認しましょう。

その3,新しい機種は農機具店に、古いものは一括査定に

結局、新しいめの農機具の場合は、国内での需要もまだまだ高いため
整備して販売している農機具店の方が高価買取になります。
 
ネットの査定サービスの買い取り価格を参考にしつつ、
普段使っている農機具店にも相談してみるとよいと思います。

特に、10年前くらいから現行機型落ちまでの新しい機種では、
国内の農機具店の方が査定額が圧倒的に高いです。

理由は簡単で、輸出のために多額の梱包・輸送コストをかけずとも、
国内需要があるうえに、修理部品が簡単に調達できるからです。

ちなみに、私が自分で買い取り額の比較をしたなかでは、
メーカー正規代理店をやっている(つまり新品も売っている)
個人経営っぽい農機具店が、いちばん査定額が高かったです。
(メーカー直営店の査定額はスズメの涙でした)

 
私自身も、クボタのKLトラクタを、一括査定で出た最高値を見せて
ここで買い取ってもらいましたが、最高値より更に2万円アップでした。
 
しかも古すぎて部品がなく、修理不可なハローも無料で処分してくれました。
おまけに帰り際に作業場を少し掃除してくれました。
親戚の家のトラクターと田植え機も、最初からここに頼めば良かったです。

一方で、30年以上前のとても古い機種の場合は、
あまり考えずにネットの一括査定を使ってみれば良いと思います。。